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【PEOPLES】
#7 メガネ嫌いから認定眼鏡士に。鯖江製に惚れこんだメガネのプロ

【PEOPLES】<br>#7 メガネ嫌いから認定眼鏡士に。鯖江製に惚れこんだメガネのプロ</br>
ピープル

2020.12.30

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人の顔が見える店は、通いたくなる。名物店長がいる店ならなおさらだ。毎回OKUROJIの”人”にフォーカスを当て、生い立ちやこの仕事を選んだきっかけ、お店のことなど、その人の魅力に迫ります。第7回は、『さばえめがね館 東京店』の林 孝さん。
Photo: Mizuho Takamura  Text: Akane Imoto

メガネはかけたくない! から一転、メガネ道へ

私自身、強い近視で中学生からずっとメガネをかけていました。両親も4人の兄弟もみんなメガネなので、遺伝でしょうね。当時はメガネをかけることがすごく嫌でした。運動の時に邪魔になるし、クラスにも1〜2人ぐらいしかいない。なので、高校からはずっとコンタクトにしていました。

メガネはかけたくない! から一転、メガネ道へ

この仕事を選んだのは、父から学校を勧められたのがきっかけです。両親は地元の長野で時計やメガネを扱う小売店を営んでいたのですが、進路に迷った時に、父から「メガネの専門学校もあるぞ」と言われて。とりあえず東京に行けるならいいかということで、気持ちを切り替えて眼鏡専門学校へ行くことにしました。

 

眼鏡専門学校は、視力測定などメガネ全般の知識を習得する学校です。卒業後はデパートに入っているメガネ販売会社に就職し、転勤で大宮、高崎、神戸、横浜など様々なエリアを経験しました。さばえめがね館 東京店には、今年9月のオープンに合わせて異動。ちょうど来年でメガネに関わって30年になります。

もちろん就職してからはずっとメガネですよ。近視がひどいので、お風呂でも古いメガネをかけています。花粉症というのもありますけどね(笑)。週に3~4回はメガネをかけ替えて楽しんでいます。

メガネって、基本は視力で苦労をされている方が使うツールですよね。安くはないお値段をお支払いいただいているので、お客様の話を伺いながらきちんと調整することを心がけています。お客様から「今までよりよく見える、助かった」などのお言葉をいただけるとやっぱりうれしいです。

メガネをよく知っているからこそ感じる鯖江製の良さ

メガネをよく知っているからこそ感じる鯖江製の良さ

長年メガネ販売をやってきましたが、この店に来て改めて鯖江のメガネはすばらしいなと感じています。鯖江のメーカーや職人さんから直接話を聞くこともあるのですが、みなさん高い技術を持って、かけ心地や独自のデザインを工夫されています。世界の一流ブランドがメガネの生産地に鯖江を選ぶだけありますね。

例えば、メタルフレームだったら、東北大学(金属研究所)と共同で形状記憶性のあるチタン合金(エクセレンスチタン)の開発を行った会社もあります。チタンは軽量で強度が高く、アレルギーを起こしづらい金属なので、メガネ加工の技術を応用して医療器具を製作提供しているメーカーもあります。メガネメーカーですが、違う分野でも役立つ技術力を持っていて、他社には作れないものを目指す心意気がすごいですよね。

サンオプチカルというメーカーでは顔写真を撮って、パソコンに取り込み、お客様の希望を伺いながらデザインを起こし、手作業でその人の骨格や顔立ちに合うように仕上げるということもやっています。

200以上の工程を経て作られるプラスチックフレームの製作途中のパーツ。オーダーでは約500種のプラスチック生地から選ぶことができる。

メガネは顔や目、耳の上の幅など細かい部分を合わせると、かけ心地が全然違います。オーダーは時間もかかるし金額も高いのですが、柔軟に対応してくれるので、もし作ることがあるなら一度は鯖江の商品をご覧いただきたいです。

林さんがかけているのもオーダー品。これをかけることで仕事のスイッチが入るのだそう。

また、外国製より生産地と距離が近いので、何かトラブルがあったときにちゃんと対応してもらえるのもポイントです。ずっと直して使っていくことが可能なメガネなので、私も自信を持ってお客様に勧められます。

他には真似できない現地直送の強力ラインナップ

当店は福井県眼鏡協会が運営しているので、鯖江のトップクラスのメーカーさんから商品をご提供いただいてます。店内には常時1000本が並んでいるので、お客様からは「こんなにあると選べない」と言われます。

他には真似できない現地直送の強力ラインナップ 店内の引き出しの中もすべて違う種類のメガネが並ぶほどの品揃え。さらにバックヤードにも800本ほどがスタンバイしている。

どれも素敵なので難しいんですが、あえておすすめを上げるなら今後定期的にトランクショーをやる『FACTORY900』ですね。フレームのヒンジパーツまでオリジナルで作っているメーカーで、ヒンジに柔軟性があるので顔をあまり締め付けません。デザインもユニークですが、見た目以上にかけ心地がいいので、ぜひ店頭でお試しいただきたいです。

企画から生産まで一貫して自社で行うFACTORY900。独自のデザインは世界でも高い評価を得ている。33,000円~(フレームのみ)

メガネってかけると顔が変わるので、ここで違う自分を見つけられるんじゃないかなと思います。プレゼン前の勝負眼鏡など、自分を切り替えるツールとしてメガネを一緒に探していきたいです。またいくらお客様がデザインを気に入っても、似合ってなければ「やめたほうが…」とお伝えすることもあります。やっぱりその人に合ってるかどうかが最終的に大事なので!

当店は私も含めて、スタッフ全員がメガネのスペシャリストである認定眼鏡士の資格を持っています。全員が資格をもっている店って案外少ないので、視力測定やメガネの調整などもいつでも安心してお任せください。

Profile

Profile

林 孝(はやし・たかし)さん
長野県出身。百貨店内の眼鏡店販売スタッフを経て、2020年9月にさばえめがね館 東京店の店長に就任。高校時代はボート部に所属。アクション映画好き。好きな芸能人は歌手の鈴木雅之で、カラオケでは「ランナウェイ」がお気に入り。OKUROJIで好きなお店は『WHISKY HOUSE MADURO』。「ウイスキー好きの先輩に教えてもらったイギリス・アイラ島のモルトがスモーキーで印象的でした」

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