STORIES:OKUROJI

【Photographer’s OKUROJI】#7
ここは大人の秘密基地

<small>【Photographer’s OKUROJI】#7</small><br/>ここは大人の秘密基地<br>
ストーリー

2021.03.02

THE HAMILTON GS

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写真家の在本彌生さんがOKUROJIを訪れ、撮影。彼女のフィルターを通した、OKUROJIの姿を写真とエッセイで綴ります。今回は『THE HAMILTON GS』をフォーカス。

Photo & Text:Yayoi Arimoto
 

ここは大人の秘密基地

「新しい生活様式」という言葉が、いよいよ世界に浸透してきた。はじめはどこまで自分がそれと寄り添って生活していけるかと思っていたが、案じたよりは割とうまくこの状況に付き合えている、というか選択肢はそれしかないのだ、うまく付き合っていくしかない、そう感じている方は私だけではないと思う。時間と場所の使い方を変えることを余儀なくされたが、そのせいで、自分の好きなことや合うものを真剣に選ぶ感覚は以前よりも敏感になったのではないだろうか。安全に食事やお酒を飲む機会を持つことに関しても、これからは各人の視点で納得のいくスタイルを求められるのだろう。

OKUROJIにオープンして間もないクラッシックバー、THE HAMILTON GSを訪ねた。一歩店内に入ると「別世界へようこそ」と、お酒の国の妖精の囁きが聞こえてくるよう、そこには品の良い大人の世界が広がっている。美しいバーカウンター、世界、日本、各地の厳選されたウィスキーのボトルがずらりと並ぶ飾り棚、磨き上げられたグラスたちは抜群のプロポーションを自慢するようにキラリと光ってポーズをとっている。そんなようすを眺めているだけで、私などはもう「飲みたい気分」を刺激されて心が踊ってしまう。年季が作りだす居心地の良さも良いけれど、奇を衒わずセンスがよく、重厚感も清潔感もある新しい店というのは、このご時世においてはアドバンテージだろう。

カウンターに腰掛けてお酒と名物のカツサンド(こちらはテイクアウトも可能)を注文する。店長の立花さんがシェーカーを振る所作は流れるようで、磨き上げられたカクテルグラスにお酒が注がれるのを眺めていると、一滴目が喉に流れ込む感覚が連想されて、待ちきれないくらいワクワクしてしまう、が、そこはぎりぎりのポーカーフェイスで、この素敵な空間と時間を余裕の笑みで交わして大人ぶる。こんなふうにゆっくりとお酒をいただく一時一時を噛み締めて楽しむなんて幸せなことだ。以前はそんなお酒の飲み方、どれだけできていただろうか。

この店のもうひとつの面白いところは、バーカウンター付き個室を備えていることだ。呼びかければ個室内のカウンターでバーテンダーがお酒を作ってくれるという素晴らしさ!これは素敵なアイディアだ。スーパープライベートバー、ここにありと云ったところ。良心的な室料でこの空間を占有できるのだから、それは楽しい酒時間になるだろう。身近な人を誘って、或いはひとりでも、この空間でいつもと違うお酒時間を持てるのは嬉しい。
例え昼間に行ったとしても、ここなら気分もムードもガラリと変えてくれるだろう。ガード下にこんな秘密基地を持っている大人はちょっと格好良く見えそうだ。

プロフィール

在本彌生(ありもと・やよい)
東京生まれ。外資系航空会社で乗務員として勤務、乗客の勧めで写真と出会う。以降、時間と場所を問わず驚きと発見のビジョンを表現出来る写真の世界に夢中になる。美しく奇妙、クールで暖かい魅力的な被写体を求め、世界を飛び回り続けている。2006年5月よりフリーランスフォトグラファーとして活動を開始。雑誌多数、カタログ、CDジャケット、TVCM、広告、展覧会にて活動中。
http://yayoiarimoto.jp/photo/fashion/

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