Project Interview コトニアガーデン新川崎
余白のある街で生まれる緩やかなつながり
コトニアガーデン新川崎前編イメージコトニアガーデン新川崎前編イメージ
2019年度のグッドデザイン賞でベスト100に選ばれた「コトニアガーデン新川崎」は、JR東日本グループの旧社宅跡地を利用し、2018年に生まれたまち。コンセプトは、“ずっと住みたいまち”をつくろう!
地域やまち、多世代の交流を育む広場と、広場を取り囲む「商業施設」「賃貸住宅」「高齢者サービス施設」「認可保育園」を分棟配置しています。施設全体を美しいレンガの壁がつなぐことにより、多世代間でも一体感がある、そんなまちを作り出しました。今回は施設の運営・管理担当者の菅井すがい 亜沙美あさみさん、熊野くまのあいさん、イベントの企画・運営を担当するトビラ株式会社 伊早坂いはやさかはるかさんにお話しを伺います。
コトニアガーデン新川崎前編イメージ1コトニアガーデン新川崎前編イメージ1
多世代交流を大事にした
施設づくりと運営
菅井:コトニアガーデン新川崎(川崎市幸区)の敷地には、元はJR東日本の社宅が建っていました。土地を再編成する計画になり、社宅の場所を移して一度更地にしたんです。その後、多世代交流や地域交流を大事にした開発をしていくということで施設づくりをし、コンセプトに沿った運営を進めてきました。
敷地内は、テラスや広場などの「余白」を多く設けたことが特徴です。高齢者サービス施設と保育園が隣接して建っているので、その周りのテラスや花壇で、保育園児と施設に住まうご高齢の方との多世代交流の場が生まれました。
熊野:今はコロナ禍で顔を合わせた触れ合いができませんが、例えば保育園のみなさんが高齢者施設のおじいちゃん、おばあちゃんに見えるように運動会の練習を披露され、新しい交流の形を模索しています。
レンガ壁がつくる
様々な活動が生まれる余白
菅井:敷地内には長さ80mのレンガ壁があり、この壁が持つ役割がグッドデザイン賞を受賞するポイントになりました。レンガ壁は、地域との繋がりづくりのきっかけになっています。
開業前には、地域の方々をお招きし、レンガタイルに模様をつけるイベントを行いました。みんなで一緒に壁を作り上げていくことにより、コトニアガーデン新川崎に親近感や愛着をもっていただきたかったんです。みなさん慣れない手つきながらも、一生懸命にレンガタイルに模様をつけてくださり、とても思い出深いイベントとなりました。
まちびらき後も、イベントの時にはレンガステージでダンスを披露したり、その壁の裏で手のひらアート制作をしたりと、企画に合わせて場所も使い分けています。様々な活動が生まれる「余白」づくりは、設計段階から計画していたことでした。
コトニアガーデン新川崎前編イメージ2コトニアガーデン新川崎前編イメージ2
コトニアガーデン新川崎前編イメージ3コトニアガーデン新川崎前編イメージ3
幸区のイメージを変えた
コトニアガーデン新川崎
伊早坂:4、5年前はそもそもコトニアガーデン新川崎のある幸区自体が川崎市内、神奈川県内で話題になる事は少なくて。すぐ側にある夢見ヶ崎動物公園も市民の認知度は低かったです。そこにコトニアガーデン新川崎ができ、夢見ヶ崎動物公園とセットで告知されるような機会が増えました。
私は幸区以外でも活動しているんですが、開業当初は一つの憧れの場所のように見てもらえていましたね。近隣で活動しているママたちの中でも「こんな素敵な場所が幸区にはある」「ここで活動できるのは羨ましい」「出店してみたい」なんて話題だったんですよ。幸区のイメージを少なからず変えてくれたと思います。
地域に溶け込みたい気持ち
から動き出した開業前の一歩
菅井:この規模のものが突然できると、地域からぽつんと浮いてしまうのではないかと懸念があって。「工事現場仮囲いアート ステッカーおえかきイベント」と題して、開業の前年に最初のイベントを企画しました。向かいのゴルフ練習場での夏祭りにブースを出させていただき、仮囲いに貼るステッカーに絵を描いてもらいました。夢見ヶ崎動物公園から動物をモチーフにしています。それを我々が仮囲いに貼りました。JR東日本やグループ会社の担当も一緒に、総出で取り組みましたね。
子どもたちと絵を描いている最中に「どこに貼るんですか?」と交流があり、貼った後も「これ私が描いたやつだよ」と興味を持ってくれました。皆さんと一緒に仮囲いを賑やかにすることで、少しずつ地域の方に意識していただけたと思います。
コトニアガーデン新川崎前編イメージ4コトニアガーデン新川崎前編イメージ4
コトニアガーデン新川崎前編イメージ5コトニアガーデン新川崎前編イメージ5
担当の熱量が
受けつがれていく
伊早坂:歴代の運営担当の方は、みなさんすごくしっかりしていて、特にコンビネーションが素晴らしかったです。
熊野:私は開業1年目の年に入社し、担当になりました。当時、菅井さんが育児休職中で、入社2年目、3年目の先輩と私の若手3人が担当していたんです。3姉妹と言われていました(笑)
先輩方が、やりたい企画を社内で説得して回ったり、テナントさんや伊早坂さんと協力したりと、とても熱量をもって働かれていて。その姿をみて過ごしたので、いざ先輩方が異動になっても引き継ぎはスムーズに進みました。
伊早坂:担当のみなさんが相談しやすく、まずは話を聞いてふわっと受け入れてくださる方々でありがたかったです。地域の方も活動しやすくなるわけですよね。そうした空気も、まちの色に表れていると思います。

後編は『「かかわり」を「つながり」に変えたチーム文化』を掲載します。
<ruby> <rb>伊早坂</rb><rt>いはやさか</rt> <rb>遥</rb><rt>はるか</rt></ruby>イメージ<ruby> <rb>伊早坂</rb><rt>いはやさか</rt> <rb>遥</rb><rt>はるか</rt></ruby>イメージ
トビラ株式会社 取締役
伊早坂いはやさか はるか
NPO理事の兼任や、かわさきFMの番組プロデューサーなど数々の肩書きを持つ、まちづくり・イベント作りのプロフェッショナル。

前職はなんとフレンチのシェフだったが、イベント運営に魅力を感じ、転職。今に至る。愛称のシチューは「シチュー好きだから」ではなく、ついた当時「見た目が白かったから」ついたのだそう。
NPO理事の兼任や、かわさきFMの番組プロデューサーなど数々の肩書きを持つ、まちづくり・イベント作りのプロフェッショナル。

前職はなんとフレンチのシェフだったが、イベント運営に魅力を感じ、転職。今に至る。愛称のシチューは「シチュー好きだから」ではなく、ついた当時「見た目が白かったから」ついたのだそう。
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株式会社ジェイアール東日本都市開発 神奈川支社開発管理一部
菅井すがい 亜沙美あさみ
2011年入社。コトニアシリーズの最初の案件である「コトニア吉祥寺」に携わる。「子ども+と+シニア」から考えた造語である「コトニア」という名前の生みの親として、育休復帰後はコトニアガーデン新川崎の運営計画、開業準備に携わり、現在に至る。これまでの運営から「まちの人と出会うこと、話してみることを通して、まちを知ることが大事だな」としみじみ感じている。

<コトニアガーデン新川崎のおすすめは?>
お天気が良い日の広場です。あたたかい日差しの中を、おじいちゃん、おばあちゃんがゆっくりとした足取りでお散歩をしていて、その横で子ども達が楽しそうに駆け回っています。そうした日常風景を見ているだけでほっこりと癒されますよ。

※熊野愛さんは後編で紹介いたします
2011年入社。コトニアシリーズの最初の案件である「コトニア吉祥寺」に携わる。「子ども+と+シニア」から考えた造語である「コトニア」という名前の生みの親として、育休復帰後はコトニアガーデン新川崎の運営計画、開業準備に携わり、現在に至る。これまでの運営から「まちの人と出会うこと、話してみることを通して、まちを知ることが大事だな」としみじみ感じている。

<コトニアガーデン新川崎のおすすめは?>
お天気が良い日の広場です。あたたかい日差しの中を、おじいちゃん、おばあちゃんがゆっくりとした足取りでお散歩をしていて、その横で子ども達が楽しそうに駆け回っています。そうした日常風景を見ているだけでほっこりと癒されますよ。

※熊野愛さんは後編で紹介いたします